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瀬名壱吾
高一。
作中、二度も言う程の事ではない。
そもそも悪人面だが、今日は不機嫌な分だけいっそ凶悪度が増している。
とろとろと廊下を歩いていた壱吾クンは、徐に後ろを振り返った。
ザザッ☆
途端、モーゼが海を割ったように、後ろの女子生徒達が壁際に退いた。
「………。」
壱吾クンはまた歩き出した。
それに釣られるように、壁に退いた女子生徒等がそろそろと歩き出す。
とろとろとろ…
こそこそこそ……
ぴたっ…くる~り
ぴたっ…ザザッ☆
「………。」
くるり……
そろ~……
くるりっ!!
ザザッ☆
「…………。」
擬音だけで状況を察しろという手抜き。
廊下で壱吾クンと女子生徒等の【リアルだるまさんが転んだ】が開催されているのである。


