鈴と風





「もうそこまでにしたら?」


フゥと溜息をついた鈴夏。


「何よ?負けること分かってるわけ?」


詩織は翼をしまったらしい。


「いや、あなたたちが負けるから。」


鈴夏は目を閉じている。


「ふざけないでよっ…。あなたに何がわかんのよ?」


始まりやがったな…負けず嫌いの瑠衣花…。



「分かるか…?!そんなもん。私は風珸の家族を傷つけたくないだけ。」


鈴夏はめちゃくちゃ嬉しいこと言った。


「関係ないじゃない…。あなたに…。」


少し辛くなってるようだ…詩織。


「関係大あり。私は、風珸に私と同じ辛さを感じて欲しくないだけ。」


悲しそうな鈴夏。



「どういう意味じゃ?鈴夏。」

レイドが尋ねた。