『どうも、八神と申します、私のような弱輩者の為にこのような席を設けていただき、誠に恐縮の極みです』

と、相手の席の横に移動して右手を差し出す。

オーナーも手を差し出してくれて握手に持ち込む事に成功。
そのまま、腰を降ろして片膝をついてオーナーの手の甲に軽いキス。

してやったり♪

上条さんは平静を保ちながらも、

『やっぱりコイツやりやがったか』

と言わんがばかりだった。
オーナーはそれでも動じる事はなく、軽い笑みをたたえて、

『話で聞いていた以上に面白い方ですね』

なかなかのタヌキぶりも俺好みだ♪

飯を食べながら、条件面での話をしたのだが、食ってる飯が、

味が薄い

量が少ない

出て来るスピードが遅い

正直、飯を食ってる気が全然しなかった。
こんなトコでチマチマと食うくらいなら、安楽亭で腹一杯焼肉食いたいね。
ちょっとこんなトコで飯を食ってるハイソなジョアジーな方々が可哀相だなーと思ったくらいだ。

条件面では、出資800万でテラ銭は200万に決まった。

テラ銭とは月々にオーナーに納めるお金の事。
ちなみにこの手の仕事でこの金額は破格な安さで、上手くやれば月収300万も射程圏内な条件だ。

俺が終始ニヤついていたのは言うまでもない。