「あぁぁぁ〜」

分かんない。

私たちはいつも通り叶也&叶羅を寝かせてからリビングで勉強。


頭の中の数学的知識が少ないであろう、私はテーブルに突っ伏した。

「何してんの?」

今日も相変わらずクールな葵依斗は素っ気なく聞いてくる。

「わ…かん…な…い…」

「どこが?」

葵依斗はポーカーフェイスを保ったまま。

「ここ・・・」
私は分からない問題を指差して言った。

「・・・方程式。」

「え?方程式?」

「だから、これとこれで等式立てれば解けるじゃん。」

「あぁ。なるほど。方程式とか難し過ぎ・・・」

「別に・・・」

「いや~難しいよぉー。」

そう言って私は葵依斗が立ててくれた方程式を解く。X=8か・・・

解答欄に「8」と大きく書いて私は再びテーブルに突っ伏した。まだ15分も勉強してないのにすごい疲労感・・・今日は勉強したい気分じゃない・・・
時々、なぜかやる気が出る時がある。その日は頭の回転も良くて、スラスラ進むのに、今日みたいな日は中1の内容も分かんなくなる。

「疲れたんなら今日は早く寝たら?」

愛しい声が聞こえた。普段からの条件反射でパッと顔をあげた。

「疲れも溜まってるだろうし、たまには早く寝た方がいいよ。」

優しい・・・

「うん。そうする。ありがと。」

そう言って私は参考書とノートを持って部屋に置きに行った。