White Valentine's day



もうこれ以上由依の顔が

赤くなることはなさそうなほど赤くなる

「ねえ、ちょっとグラウンド見てよ」

目をそらすようにぶっきらぼうに口にする

言われた通りにとりあえず窓から外を見た



ーッワ



雪に残った足跡はいびつにハートを描いていた

途中で校舎へ向かっているけれど

「怒られちゃったからさ、

最後までいかなかった」

悔しそうに由依の頭に声を落とす

近いのと驚いたので由依は声がでなくて、

「そうなんです、俺。ロマンチストなんです」

ヘヘッと笑った

「好きな子だけからもらいたいと思ったんだ」

ぽんっと由依の頭に手を乗せる



ー不意打ちなんだってば