White Valentine's day



「へー、小岩ちゃん。小岩なのに

南多摩駅なんだ南武線だね」

さらっと線名を口に出す

「そう、南武線」

号令をかけ終礼を終える

「俺はね府中、だから京王線!

ならデートは聖蹟だねっ」

楽しそうに定期を差し出す

受けとると鞄を拾い上げ

太一がドアを目指して走る

くるっと振り返りいつものように

にこっと笑うと

「人質!、

すぐ帰ってくるからそれまで待ってて」

「何いって、」

言うよりも早く太一がドアから姿を消す

ーや、られた