一日中由依は
ちらちらと隣の太一を意識していた
終業の鐘がなる
6限すべてが終わりを告げた
「うそっ」
「なんだ小岩、お前もっと授業聞きたいのか」
社会科の教員が嬉しそうに笑う
クスクスと笑いが起こる教室内
由依は無意識に大きな声をだしていた
恥ずかしく思い
太一の方を向くと
ばーか、と口が楽しそうにパクパクする
「でも残念だったな、今日は大雪で
補習も部活もなしで早く帰せとのことだ」
え、部活なし? だとかまじかよ、だとか
嬉しそうにクラスメートが声を発する
ーーーまじかよ、
由依の頭はそれでいっぱいだった