それに、私に自覚がないのにはもう一つ理由があるわけで…。
「……でもママ。北蓮流は私が継ぐわけじゃないでしょ?もう後継者は決まってるんだし、私が結婚してなくても誰も気にしないんじゃ…」
そう。
北蓮流次期家元はもうすでに決まってる。
私には関係ない世界のはずなのだ。
「甘い!いくら後継者が決まっているからと言って、あなたが北山家の娘であることには変わりないのですよ?
北山家本家の娘がいつまでも独り身では末代までの恥です!」
「えぇぇ~、末代までの恥って、そ、そこまで言わなくても…」
たかが結婚するしないで大げさなんだから、
と思ったけど、ママはどうやら冗談を言ったつもりはないらしい。
「それくらい北山の名前は重いと言うことです!
────まったく、末娘だからと父親が甘やかすから。すっかり我が儘に育ってしまって」
ママは困ったわとでも言いたげに横目でこっちを見ながら、こめかみを指でギュッと押さえた。
「……でもママ。北蓮流は私が継ぐわけじゃないでしょ?もう後継者は決まってるんだし、私が結婚してなくても誰も気にしないんじゃ…」
そう。
北蓮流次期家元はもうすでに決まってる。
私には関係ない世界のはずなのだ。
「甘い!いくら後継者が決まっているからと言って、あなたが北山家の娘であることには変わりないのですよ?
北山家本家の娘がいつまでも独り身では末代までの恥です!」
「えぇぇ~、末代までの恥って、そ、そこまで言わなくても…」
たかが結婚するしないで大げさなんだから、
と思ったけど、ママはどうやら冗談を言ったつもりはないらしい。
「それくらい北山の名前は重いと言うことです!
────まったく、末娘だからと父親が甘やかすから。すっかり我が儘に育ってしまって」
ママは困ったわとでも言いたげに横目でこっちを見ながら、こめかみを指でギュッと押さえた。

