花に、嵐

するとママはパチパチッと目を瞬いて「ワケ?」そう言って首を傾げた。

それからフッと手の力を緩め、それとほぼ同時に表情も緩んだから、ようやくこっちも強ばっていた力を緩めることができた。

「そ、そうそう。いきなりお見合いって言われても…ね、すぐには返事…できないというか、なんというか…まだ学生だし、ね。さすがに早くない?」

ママのご機嫌を損ねないように、言葉を選びながらも遠まわしに断る理由を必死で考えるんだけども。

「あら、何言ってるのよ。ママは20歳のときに結婚したのよ?花菜も今年で22になるんだもの、全然早くないわよ」

これだ!っていうママを納得させられる理由を見つけられないまま。