―今 思えば…


景さんとは、

何もかもが一緒、だった。




雑誌の、

″こういう時には どうする?″という質問の答えも、同じ。


好きな食べ物も、嫌いな食べ物も、同じ。


癖も、考え方も…。




…価値観が……、

面白い位に、一緒…だった。




もし景さんと結婚しなかったら、

あたしは一生 結婚しないんじゃ ないか…と、思う位に。


…何もかもが、″同じ″だった。






でも…、

″景さんと結婚″なんて…

自分でも、″何 夢見がちな事 言ってんだ″って、思う。


当然 親だって、

″芸能人と結婚なんて出来る訳ない″って笑うのは目に見えてるし…


ファンの子に言ったら、

″あたしだって、結婚したい と 思ってるよ!″って、

普通に言われて、終わり。




…だから、認めたくなかった。




雑誌のインタビューとか、TVの取材とか、DVDに収録されてるライブの舞台裏とか、

そういうので景さんの人柄を知る度に、自分と似てる所だらけだ って思うけれど…、


…全部、

ただの、偶然。




実は

漠然と″自分は ずっと、景さんと一緒に居るんだろうな″って、

将来のヴィジョンまで見えた事も あったけれど…、


″何 思い上がってんの?″って、

何度も何度も、言い聞かせた。




…″ずっと、一緒なんだろうな″じゃなくて、

″ずっと一緒に居たい″の、間違いでしょ。


ただの、ファン心理……でしょ。






他にも…、居るよ。


″運命の相手″は、

景さんじゃ、ないよ…。