カノン





嘘、だろ…?


…マジかよ…。






視線の先で、

マナミちゃんに笑顔で手を振りながら小走りで近付いて来たのは……。






「……」




「…あれ?


ひーちゃん?」






不審に思った祐貴の声が、他人事のように頭の中に響いてるけど、

そんなのは もう、どうでも いい。






―……君、


だったから。






間違いない。


あの時とは違う、"姫ちゃん"なんて呼ばれてても、

すぐに、分かる。




……君だ。






それは

ずっと ずっと会いたかった、

10年間、1度も忘れた事が ない、


俺の…運命の、人。








「……あのぉ、遅れて すみません~。


今日は よろしく お願いしますー…


………… …………


……… ………」








―君は相変わらず人形みたいな容姿で、

変わらない声で、

変わらない、語尾を伸ばす特徴的な喋り方で…

俺の前に"再び"現れた。