カノン





「ヒカリ……、"約束"って……。


何それ、どういう事!?


やっぱ女が居るんじゃない…!!」




楓が悲鳴に近い声で叫んだ。






「え、あ…いえ 私は………」




…それに対して何だかサナが否定しそう だったから、

慌てて話の途中のサナを引き寄せて、これ以上 喋らないように制止する。


それから楓に向かって、冷たく言い放った。






「…だから、早く帰れって言ったんだよ。


今日は、前から約束してたんだから…

…なぁ?」




そう言って、サナに目で訴える。






「……あ、え えーと…。


そ、そうですね!


ヒカリさんとの約束…楽しみで、

張り切って早めに来ちゃいましたぁ!」




有能なマネージャーは、

困惑しながらも、この場の空気を感じ取って、話を合わせてくれた。






―さすがサナ。


機転 利いてる!!―




…俺は心の中で、グっ と親指を立てた。