あたしは何も言えなくなって…、ずっと黙っていた。


そんな あたしに、

サナギさんの言葉は、降り続ける。






「景は″SIVAのヴォーカルの景″っていうイメージが ありますから、

見た目も怖いし…、一見 冷たい人に見られると思います。


それに比べてリアちゃんは、

ふわふわ していて、見るからに おっとり した感じなので…

第1印象は、正反対だと思うんです。


でも…、

中身は、2人とも そっくり ですよ 笑


…穏やかで、

目を離したら ふわふわ って、何処かに行っちゃいそうな…

危うさも、あって」




「……あや、うさ…?」






「そう、です。


景は……


何て言うか、

人の心を捕らえたら、離さない人だ…と思うんですけど」




「……」






「でも、

逆に景の心を捕らえる って、

なかなか出来なさそうじゃ…ないですか?」




「……」






「少なくとも、

私は、そう思ってます。


…実際、

景に依存する女の人を何人も見て来ましたが、

景が誰かに依存するのは、見た事が ありません。


もしかしたら 本人は依存してるのかも、しれないですけど…、

他人には そんな風には、全然 見えない。


だから…、

相手は、自分が想っている程、景は想いを返してくれていない ように、思える」




「……」






「勿論 本当の所は分かりませんが…、


でも今まで付き合って来た女の子達も、

他人から見たら幸せそう でも、本人達は″景の心を手に入れている″って実感は、

なかった…と、思うんです。」




「……」






「…これは私の想像に過ぎないんですけど、ね。


でも そう見える、雰囲気を…景は持ってるんですよ。


誰もが、

景の事は、″自分では縛れないんだ″って思ってしまうような…」




「……」




そこまで言うと一旦 言葉を切って、

サナギさんは あたしを、見た。


そして突然、こう言った。