カノン





景さんに もう2度と会えなくなるのは…やっぱり、怖かった。


このまま現状をキープしてたら、

ずっとバンドマンと ただのファンでも、また会えるかもしれない…のに。




…今の関係が壊れるのは、怖い。


景さんが2度と笑ってくれなく なるのは、…嫌だ。






「………」




両方の気持ちの間で葛藤して、黙り込んでいると、

親友が慌てたように付け加えた。






「…いや、何かさ


これでフられりゃ、アンタも今までの相手の気持ちが分かって、

今度からは逃げ回んないで、少しは相手と向き合うよう に なんじゃね?と思っただけで…。


別にフられりゃ いいのに なんて、

思って言った訳じゃねーから。




…だから そんな顔すんな って 笑」




「………」






「てか寧ろ、アンタの話 聞いてて思ったけど…


それ、相手もアンタの事、絶対 好きじゃん。




…だから、アタシが言いたいのはぁ~…


″もしも″フられた と してもさ、

そんくらいの気持ちで行けよって、事。




アンタが勇気 出して、

自分の気持ち伝えて それでもフられたらさ…


そん時はアンタの勇気、

アタシが めちゃめちゃ褒めて やるから」




「…………」