「俺が気付かないとでも思ったの?」 私は何も言わず、下を向いていた。 「早く言った方がいいんじゃない?」 私は観念して、左手を渉に見せた。 「ごめんなさい」 優しく絆創膏を剥がすとガーゼで止血をし始めた。