放課後、鎌倉駅の近くの本屋であたしは例の彼を待っていた。


おもしろがってついてきた愛佳と馬場園ちゃんもいる。


今朝みたいに失敗しないように、ちゃんと授業中にシュミレーションしてきたんだ。


さりげなく呼び止めるでしょ。
名前は聞きたいでしょ。
彼女がいるか聞いて…、いないといいなぁ。

『好きです、付き合ってください』

なんて言っちゃったり!

(きゃ〜〜!)

告白シーンを想像してニヤけたあたしは、雑誌で顔を隠す。

すると馬場園ちゃんの小さな声が聞こえて、はっと顔を上げた。