登校時間、あたしはまた鎌倉駅から出てくる彼に声をかけた。


「…しつこいな」

眉間にシワが!!

「粘り強いと言ってください。あたしの長所です」


あたしはにっこり笑ってみるけど、こっちを見ない彼には通用しない。


なかなか手強いぞ。
めげないあたしは、鼻からフンと息を吐く。



もう一週間、彼とあたしの攻防は続いていた。

軽くあしらわれたり、たまにコッチを見たかと思えば眉間にやけに力が入っていたり。


それでも毎回シカトじゃなくて、聞いたことには答えてくれる。