彼は鎌倉駅の改札から、ホームへ向かってしまった。


あたしは、鎌倉が地元だから電車は使わない。


『ハイ、ここまで〜』
って、自動改札のゲートにまでフラれた気分になる。


見えなくなる彼の後ろ姿を見送った。


成り行きをすべて見ていた愛佳と馬場園ちゃんが、あたしの左右に立った。


「人生初の告白、お疲れさん」

愛佳が肩をポンポンと叩く。


「取り合えず、お茶でもしながら作戦会議しよ」

馬場園ちゃんの提案で、小町通りにあるカフェに向かった。