だから、今の生活はいわゆる“不登校”というものだ。

学校に行くのはテスト期間だけ。

まぁ、テストが終わればすぐに帰宅してしまうのだけれど。

いつの日か、こんな日常が“当たり前”になっていた。

『~♪~♪~♪』

本のページをめくる音しか聞こえなかった部屋に、

机の上に置いてあった水色の携帯電話の着信音が響く。

私は携帯の画面を見た。そこには、

『前川 美咲』と表示されている。

私は電話を無視しようと思ったけど、

後が面倒なので取ることにした。