よし、これだ!!


これは夢。

ただの悪夢。

限りなく現実に近い幻覚。

よく出来た妄想。



……って、出来るか!!

そんなわけ無いだろ。


だいたい、思い込むって何!?

マインドコントロール?

自己暗示?


結局1とほぼ同じじゃないか!!



ごめんなさい、全然落ち着いてませんでした。




俺はどうすればいいのでしょうか?



消えて居なくなったり、羽が生えて飛んでいったりしてくれないかななんて希望的観測で以て全ての元凶を観察するも、そんなことは起こるはずがなくて。


茫然と見つめていると、乱れた栗色の髪の毛が流れ落ちて、女の子と目が合った。



えっと。

この子の目、おかしな具合に煌めいて見えるのは気のせいでしょうか……?


この目は……アレだ。

獲物を狙う肉食獣の目だ!!


ひぃーっ!!

どうしよう、食べられちゃうよ~!!




サッ。


頭の中が真っ白になった俺は、物も言わず女の子を地面に降ろした。


何か話し掛けられた気がするけど、気にしてはいけない。



振り返ったら命は無いと思え。



こうして俺は命からがら戦線を離脱した。