何か飛んで来る。


そう思って無意識に手を伸ばすと、


ドサッと。


両腕に確かな重みが。



瞬間、刮目した。



……えっ?

…………えぇっ!?


何で?

何で俺の腕の中に女の子が?



もしかして、あれ?

さっきの謎の飛行物体ってこの子だったのか!?


どうしよう!!

脊髄反射的に受け止めちゃったよ!!

馬鹿、俺の馬鹿!!


心の中で盛大に自分を罵倒するも、やってしまったことは後でどんなに悔やんだところで元には戻せない。



よし、落ち着け俺。

まずは、目の前に転がる問題すなわちこの子をどうするかだ。

大きく深呼吸して、冷静な思考を促す。


ちょうど辺りは不気味なくらい静まり返っている。

考え事するには持って来いの環境だ。



嘘です、ホントは静か過ぎてちょっと怖いです。



1、見なかったことにする。


うん、これは無理だね。

しかも何の解決にもなってない。



2、このまま帰る。


いやいや。

それじゃ誘拐犯と間違えられるから!!



3、さりげなく降ろしてさりげない気遣いの言葉をさりげなく掛け、さりげなくフェードアウトする。


無理無理無理!!

絶対にしくじる自信がある。



4、これは夢だと思い込む。