内緒の気持ち

「夢菜、似合うってば!」

さっきから褒めちぎって
くるのは、さっちゃん。


さっちゃんは、自分は
ネズミの可愛らしい衣装を
着てるからそんなに

涼しげな顔をしてるんだ。



それにひきかえ、私は、

このセクシーバニィ。


「あの時チョキを出してれば!」


そう、ジャンケンで負けたわたしは

誰もきたがらない、この

衣装になったってわけ。


「だーから、夢菜なら
セクシーに、きこなせちゃうの!

んね?吉岡くん!」、



近くにいる吉岡くんに
急に話をふるさっちゃん。


「ぁあ、似合っているよ」

「吉岡くん、嫌味?」

わたしは吉岡くんを
覗き込む。


「いや、か、かわいいよ」

吉岡くんのホッペは赤く染まる。


何故か私も、顔が熱くなる。


「う、ん。ありがとー」



こんな衣装。先生にみられたら、

本当に最悪だよー。


しかし
私の願いとは裏に。

「おう、皆試着したかあ」


「せんせいだ、、。!」




私はすかさず

出店を飾る段ボールの後ろに
隠れる。


「どうか先生に見られません ょうに」


「ばれませんように、」


必死に祈るのだけど、


「何がばれちゃ困るんだ?」

ぎくり。