「ただいまー。」
誰も居ない家に一人
ただいまを言う。
「今日は疲れてるから
いいや。ごはん、、。」
一人で呟く。
お母さんは朝から晩まで
働き詰めている。
私の家庭は母子家庭。
お父さんは、わたしが
小学校五年生の時に
亡くなったんだ。
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「お父さん!お母さんに
頼まれたの卵だった!
もいちど!いかなきゃ!」
「ぇー?本当だ。よし
もう一度スーパー戻るか。」
その日はXmasイブだった。
お母さんの手作りケーキを
食べるためにお父さんと
材料を買いに来ていた時。
「お父さん!はやくー!」
わたしはお父さんと
買い物できるのが嬉しくて
安全も確認できなかった。
「夢ちゃん!危ない!」
「夢!どうして、信号を
無視したの?」
「夢!!あなたは
人一人の命を奪ったの。」
「ごめんねぇ、
夢が悪いんじゃないの」
お母さんからの言葉は
胸にグサグサと刺さった。
自分が父親を殺したなんて
分かっていたけど、
現実を突きつけられると
無性に悲しくなった。

