その時

ー今しかないー

そう思った。

あとで話そう。そんなんじゃ
遅い。そう思った。



「りな!」

授業中に大きな声を出す私に
皆視線を向ける。


数学の先生も私を見る。


「りな、話がある。」

「わかった」


私達は教室を出た。



「佐藤さん!?
授業は?!」


担当の先生が
さけぶ。


「すみません。
ほんとに」


ただそう言い残して、

莉奈と走って屋上へ。




なんだか、先生が
追いかけてきそうで

怖くて、莉奈と猛ダッシュで

屋上へきた。


「ぶはっ!あはあはは!」

「あはっ、おっかしぃ」


二人で笑い転げる。

「なんだかスリル満点だった!」

「うん!」



「ねえ、莉奈、
幼稚園の時も
先生の読みきかせ
すっぽかして、

ブランコで遊んだよね!
私達。」



「うん、懐かしい!!」

「あんとき、親に怒られたっけ!」


「あははっ、そうそう。」



「小学校のときも、、。
朝読書の時、抜け出したよね。
一度きり!」


「私たち抜け出しすぎよ!!」



「莉奈?」

「ん?」


「ごめんね。」


私は莉奈に謝った


そして、すべてを打ち明けた。


嘘を嘘で塗り固めた
今までとは違って。


ありのままの現実、すべてを

話したんだ。