「わかりました。
要するに、卒業するまで
我慢したら
星野先生、あなたは
このことを黙っててくれる。
そういう事ですね?」
先生が真剣な顔で言う。
「ああ、あたり前ですよ。」
余裕たっぷりに答える
星野先生。
「佐藤、」
先生に呼ばれて私は返事をする。
「はい。」
「さっきのはなかった事にして
くれ。俺は一時的な感情に
流されすぎたんだ。」
先生がたんたんと、
告げる言葉は、
少し残酷すぎた。
まだ子供の私には。
「気持ちを消せってことですか?」
「ああ。」
それが彼の答えだった。
ずっと聞きたくて聞けずにいた
大好きな先生の気持ちは、
私の気持ちは、、。
折り紙よりも細かく折りたたまれた。
先生への気持ちを断ち切る
それが最善なんだ。
先生の気持ち
卒業しても変わらずに
私にある。
そんな、証明が欲しいんだ。
ー教えて、先生。ー

