内緒の気持ち

言い終えると


はあ。と一息ついた私は

先生の答えを待つために
先生を見つめる。




気のせいかもしれないけど
先生の表情は
曇ったような気がした。


先生への気持ちだと
ばれたのかな。
心配がこみ上げる。


どうして?どうして
悲しそうな顔をするの?

私の気持ちに気づいて、
それに答えられないと
思っているからなの?


先生も、私を見つめる。


「佐藤、お前は恋をしてたんだな。
お前は自分の気持ちと
相手の気持ち、どちらが大切だ?
そして、何故気持ちを伝えたら
相手が困る。
そう、決めつけるんだ?

相手はお前より大人
かもしれない。

でも、お前も十分大人だ。
自分の事なんかより
他人の事考えられるんだから。」

先生は優しい目で微笑んだ。


「じ、じゃあ
伝えてもいいんですか?気持ち。」

きっと、先生は
私の気持ちに気づいてるんじゃ
ないか。

そう思った私は
先生に勝負をしかけた。


すると先生は


「いいんじゃないか?」

そう言った。

それって
先生に気持ちを伝えて良いって
ことなのだろうか。


「あの「でも。」」

私が話そうとしたとき
先生が声を遮る。




「個人的には、困る。」