ほんと、馬鹿だ私

美咲さんの、一言に驚いて

ボールを見失ない

慌てて体勢を崩すなんて


ドジすぎる。


「いててて」


「痛いの?」

「ん、捻挫かなあ」

近くでパス練習をしてた
莉奈も駆け寄る。

「保健室いきなって!」
莉奈は言う。


すると美咲さんは先生を呼ぶ。


「高岡先生ぇ佐藤さんが!」


その声で先生は駆け寄ってくる。



「佐藤、たてるか?」

「はい、なんとかぁあっ」

立った瞬間予想以上の痛さに
語尾がおかしくなる私。


「痛いんだろう?ほら」

先生は私の前にかがんだ。



わたしはおずおずとした。

ここで先生におぶられても
良いのだろうか。

「ほら、はやく」

先生は急かす。

「失礼します。」



そう言って私は軽々と
彼に運ばれる。

その時美咲さんの顔は
怖くてみる事ができなかった