内緒の気持ち

「送って行くよ」

「え?でも」


「遅いからもう、
送ってくよ。」



先生が、私の家を見たら私の事
思い出すだろうか。


私と先生は
以前にも出会っていたんだ。




ーーー三年前ーーー


「ねえねえちょっと
遊ばない?」

それが、始めてのナンパだった、

中学一年生だった私を
よくもナンパしたなと
今でも思ったけど

あの時私服だったからかも
しれない。


「いや、あの、いいです」


断る私

「いいってさ!やったあ!」

都合よく言う男ら。


「いや。あのっ、困ります。」

そう言って逃げようとしても
手首を話してくんない。


「遊ぼうってばあ」、

男らはわたしを覗き込むように
言う。


「なにしてんの?」


そうして、わたしを助けてくれた人

男らはブチ切れて
その人に襲いかかったのだが

彼は強かった。


「のれ!」

倒れた男達が起き上がる前に
わたしに促す。

「あ、はいっ、」


彼のバイクの後ろに乗る。

「あの!」

バイクの音に負けないくらいに
叫ぶ私。

「ん?」

「ありがとう!お兄さん!」

そういうと彼はバイクを止めた。


「お兄さん?」

「お兄さんでしょ?」

「お前何歳?」

「13です中1です。」


そう言うと彼はひどく驚いた顔をした。

「そんな若いのかよ。」



確かにわたしは私服だと、
高校生か大学生と間違えられる
くらい、当時大人っぽいと
よく言われた。

ようは老けてるってこと。


「家まで。送ってくよ」

彼は優しかった


家の位置を教えながら
やっとついた家、


「あの、本当にありがとう。
せめて名前だけおしえて?」


「高岡。高岡あつし。」



今でも忘れない

あのわたしを助けたヒーローは


高岡先生だった。




高校で再開した時
もちろん驚いたけど

それよりも嬉しいという気持ちが
勝って、あっという間に好きに
なっていた。



だから、
今日、送ってもらって
わたしの家を見て先生は
どんな反応をするのだろうか。

気になっていた。