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「…和葉ちゃん?」


聞こえた言葉を仙崎が繰り返した。


「…はぁ、半年ぶりか。」


あたしはため息をつきながら、スプーンを置いて立ち上がる。


「え、和葉さ」


「仙崎、終わったら食べるからこのままにしといて。」


「え、え?や、俺も行きますよ!」


用件を言ってドアを開けようとすると、彼はそんなことを言い出した。
はっきり言って、君が来ても役立つ要素は何もないけど。


「で、誰なんですか?さっきの」


「ママ」


彼の質問にとても簡潔に答えて、あたしは外に出た。
自室の前を見ると、そこにはあたしより髪が長い、白いスーツを身に纏った女。

あたしの、ママ。


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