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「………」


チラリと彼のほうを見る。
それに気づいた彼は、ただ笑う。
あたしはそれに笑い返すことができなくて。

だって、こんなの恥ずかしいじゃないか。

そんなあたしの気持ちに気づいているのか、仙崎はあたしに強制はしない。
いつも、恋愛初心者なあたしに合わせてくれる。


「…仙崎」


「はい?」


呼ぶとすぐに返事をくれる。
"あたし"を一番に考えてくれる人。
あたしは一回目を瞑って、目を開けて彼を真っ直ぐ見た。


「……大好きです」


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