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すると、仙崎が「ぶはっ」とか言って吹き出した。


「っ、何」


「だって真っ赤だから」


そう言って彼は笑う。
あたしは恥ずかしくて、更に体温が顔に集中するのを感じた。


「っ、もういい!ばかっ!!」


あたしは彼に背中を向けて歩き出す。
「あ、和葉さん」と呼ばれたが、そんなの知らない。
からかうから悪いんだ。


「和葉さんってば」


後ろから手首を掴まれ、あたしは振り返り、彼を少し睨む。
が、彼は不敵な笑みを浮かべて、そのまま手を握ってきた。


「っ、はな」


「嫌です」


そう言って、今度は一般的に言う、恋人握りにされた。


「せんざ」


「学校見えたら離しますから」


「………わかった」


彼の言葉に、あたしは真っ赤な顔のまま、ゆっくり頷いた。


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