………ああ、視線を感じる。


その視線の相手は、そっちを見なくたってもう誰だか分かる。

俺の彼女の斎藤綾音だ。


だけど、気づいているのに知らないフリをして俺は他の女に笑うんだ。


「今日もかわいいねー」なんて、アイツには1度も言ったことのないことを言いながら―…。