何がそんなに楽しいのか、くすくすと可笑しそうに笑いながら俺に話しかけてくるクラスメイトの女たちに適当な相槌をうちながら、俺は1年半前のことを思い出す―…







高校1年生になったばかりのあの日。

まだクラスメイトの顔と名前もまったく一致していない状態の俺は、いきなり綾音に告白された。


『風間くん、好きです!付き合ってください!!』


―…と、帰りに教室から出ようとした瞬間にみんなのいる前で大声で。

正直1番に思ったのは「誰?」だったし、当然ながらOKなんかするはずがなかった。



『ごめん、無理』



あんまり覚えてないけど、そんなようなことを言ったんだと思う。


みんなの前で盛大にフッたわけだし、諦めてくれるものだろうとその時の俺は勝手に確信していたんだ。