俺は先輩に夢チュー




拾ったって………。



この生徒会室は校舎の最上階。



結構な高さがあるのに、一歩間違って落ちたらどうするつもりだったんだこの人は。



相変わらず、危なっかしい人だなぁ。



まぁ、そーゆーとこも好きなんだけどね。



そんな風に和んでいると、チャイムが鳴った。





「センパイ、お昼ご飯食べましょう?」



「もうそんな時間なんだ? 一緒に食べるから、午後は授業出てよ?」



「分かってますよ」





流石に出席日数やばそうだし。





「センパイ、放課後迎えに行くんで、一緒に帰りましょう?」





これも、もう日常になりつつある。



でも、律儀なセンパイは約束しておかないと仕事の忙しさに追われてしまう。



過去に、一度約束するのを忘れて待ちぼうけを食らったことがある。





「ん。りょーかい」





お弁当を頬張りながらセンパイは言う。



センパイのお弁当に目をやると、いつものようにキレイで美味しそうだった。



俺は、購買で買ったパンで済ませることが多いから、凄いなぁといつも思っている。





「………いる?」





俺のそんな視線に気づいたのか、センパイはそう言った。



俺がお弁当を見ていたから、欲しいと思ったんだろう。





「いえ。センパイ、そのお弁当って自分で作ってるんですか?」



「そーだよ。両親は共働きで忙しいからね」





そういったセンパイの顔は、少し寂しそうだった。



それも、俺は初めて知った。



っていうか、勉強もできて運動もできて、美人で誰からも尊敬されて。



その上料理もできるなんて………。