「なんだか顔色が悪いみたいですけど大丈夫かしら? あ、もしかして聞いちゃったとか?」 聞いちゃった? 何を? 「私と貴方の旦那、春樹様はね……、」 彼女がそこで言うのをやめてニヤッとするのを私は見逃さなかった。 「____の。 だから、____くださる? てか、返してくださるかしら? 春樹様を。」 目の前の人から発せられた言葉は重く私に乗りかかった。 嘘……でしょ…?