何も話さない私に不振を抱いたのか近付いてくる。 三歩くらい歩いたときなにかに気がついたのか、小さく呟き「ほら」と手を差し出してきた結羽ちゃん。 「なに?」 「手、繋いで帰ろう」 その瞬間にぐっと手を引かれ歩き出す。 言葉もなく歩いていると結羽ちゃんが「いなくなったか」とこぼした。 「それにしても、お前をストーカーするやつなんているんだな」 そう嫌みを付け足して。