「大丈夫だよ、もういないだろうし」 言った瞬間ゲンコツが落ちてきた。 「なにすんの」 じんじんと痛む頭を擦りながら結羽ちゃんを睨む。 「そういうのをあいつらは狙ってんだよ」 「気づけバカ」と、また叩かれた。 何度も叩かなくていいじゃんと心の中で呟きながら、気付かれないよう「バカ」と言った。 …けど。 「なんか言った?」 結羽ちゃんが振り向く前にブンブンと首を一生懸命振った。