「なに騒いでんの」 着替え終わったのか、結羽ちゃんがリビングに呆れながら顔を出す。 「だって、ナオちゃんがうちに来るの初めてじゃない」 バシバシと結羽ちゃんの背中を叩きながら、顔は嬉しそう。 一通り叫ぶと、結羽ちゃんママはくるりとこっちを向いて「夕飯食べていく?」と笑った。 「いえ、うちで用意してあるんで大丈夫です」 断った瞬間、少し後悔した。 結羽ちゃんママの顔が、物凄く残念そうになったから。 「そう、それならしょうがないね」 ポツリと呟きながら、台所へと入っていく。