3歩ほど歩いて俺は振り返り、文系先生にこう言った。 「なぁ先生、名前は?」 文系先生って呼ぶのはどうかと思うしな。 「あぁ、言ってなかったね。 僕は雪田 涼哉<ゆきた りょうや>。 担当教科は古文。 よろしくね、滝川くん。」 「雪田、ね。 覚えとくよ、じゃあ。」 俺はそう言い、今度こそ教室に向かって歩き出した。