ガラッと勢いよく扉を開け、中に入る。 「あんた、また来たの」 先に来ていた女が厭そうな顔をしてそう言う。 「何?来ちゃいけない理由があるわけ?」 あたしは、わざと挑発するような言い方をしながら、男の子の隣に座る。 「はい、遥くん。今日はお弁当作ってきたんだよ」 手に持っていた、丁寧にバンダナで包んであるお弁当を差し出す。 「いや、結愛の弁当があるからいいよ」