「いーから譲れ」

「……」


翔は溜め息をついてオレをチラリと見た

「……朔月、いい?」

『い、いーよ』


出来れば嫌だけど
翔を困らせる分けにはいかんしな

「…じゃ、朝また来る。………おやすみ」

『おやすみ翔』


片手をあげて部屋から出ていった翔
翔が出ていったドアをジッと見つめていれば寒川がスッと立ち上がる


「随分と翔と仲良くなったんだな」

『…うん、そーだな』


立ち上がった寒川を横目にソファーに腰を落ち着かす

「…お前、何か俺に対して態度悪いんじゃねぇのか」

『…殴りかかられた黒歴史があるからな』

「…………」


少し落ち込んだような顔をした寒川に堪えきれずフッと笑ってしまう


『フ、冗談だって。んな昔の事引きずってない。寒川はアレかな、取っ付きにくいから』


顔にハテナを浮かべたが
オレが笑ったことに安心したような寒川はオレの隣に座る

「どーすればいい?」

『…え?』


「…だから!お前が取っ付きやすくするにはどうすれば……」


恥ずかしそうに顔をそらす寒川
取っ付きやすくねー…

何でオレと仲良くしたいんだ?と、思いつつとりあえずあれだよなー


『笑顔、かな』

「え、笑顔だ?」


いつも眉間に皺寄せてたら駄目だよな(笑)