離れたくなる…いや、離れたくない!


「どうしよう、俺っ!俺、嫌だ。無理なんだ…」

『……オレだって嫌だ』



強く抱きしめられた後、朔月はゆっくりとオレを離し、目を合わせてきた

もう、朔月の瞳に涙はなく、キラキラ輝く俺の大好きな黒い瞳がある



「……」

『なあ、哲。オレ、哲が初めての友達で、親友なんだ』

「、ああ。俺だってそうだ…」

『大切で大好きな親友なんだ、哲は』

「お、俺、も…」

『だから、哲のためならオレは何でも出来ると思った。何でもしてやりたかった』

「……うん」

『…頑張って行ってこい。オレは、お前を応援してる。夢に向かって一直線なお前が好きだ』



涙を流す俺は視界が歪んでいるけど、

綺麗な朔月の顔はハッキリ見える気がするんだ


俺は泣き虫で弱虫だけど、君がいたら強くなれるんだ


朔月は俺が行きたい気持ちもある事を知っていて、それで応援してくれた

君が応援してくれたら、なんでも出来る気がする


「うん、うん!頑張る。頑張るよ、俺!」

『…一生の別れじゃないんだ。悲しくて、寂しいけど…哲、頑張って』



ニッコリ笑う朔月は俺の目元を優しく拭う

止まった涙は、余韻を残した



「……。ありがとう、朔月。言えて、決心がついた。応援してくれたから頑張れそうだ」

『ああ』



もう一度、愛しい親友を抱き締めた




ベッドに横になると、思い出話に花を咲かせた





君のお陰で頑張れそうだ


楽しい時間をありがとう


暖かい心をありがとう





帰ってきたら、きっと、君を支えられる男になる

親友として、恥ずかしくない自分に



もう、泣かない




君の笑顔は何よりも宝物





「…朔月?」

『…………』

「寝たのか…おやすみ」



大好きだぜ!

最高の親友!!




〜哲 side end〜