「ケチー!」

『いや…これオレの晩ごはん…』



まあ、良いや

無視してお好み焼きをパクリと食べる


ソースの濃い味がとても美味しかった





「そろそろ始まるね」


慎二が時計を見て言った

皆が同時に空を見上げる




「……」



無言で空を見上げていると、ヒュルル、

と光の線が空を登っていく






ドーンッ!




心臓に響く音が花が咲いたように輝く花火の少しあとに鳴る



「「たっまやぁ〜〜!!!」」



泪と尚輝が花火に叫びだした



その後から次々と花火が上がる

パラパラと小さな光を放つものやカラフルに細く弾けた花火や

金に輝く大きな花火





オレはすっかり見いっていた






「大きいな」

『うん』




花火に照された哲の顔に何故か涙があった





『……綺麗、だな』

「…うん」




けど、オレは気づかないふりをした

涙を流した哲は花火をただ、見上げていた













「……じゃあ、解散ね?」


花火が終わり、夏祭りに来ていた人が次々帰る中、オレ達も帰る事に



オレの家まできた光樹の車から降りる



『…じゃあ、また』

「またな!」

「…ちょっと待った!何で哲まで降りてんの!?」



そう、夏祭りが終わったら、哲との約束があるのだ