車に乗ってやって来たのは着物屋


『着物屋にあるのか?浴衣が』

「うん、ここは置いてあるよ。調べてきた」



ちょっとドヤ顔でズカズカ店に入って行く兄さんに続く

外は太陽が照りつけていてとても熱いが店の中はクーラーでひんやりしていた




………てか、この店の名前見たことあるな



「ほら、いっぱいあるよ。何色がい?」

『そーだなー……黒』

「ふむふむ。朔月ならスタイル良いから黒も良いかも。よっし、すみません!」



浴衣に目を通しながら兄さんはお店の人を呼んだ



「あっ〜〜はぁい〜♪今慎ちゃんお取り込み中なのでぇ僕がお相手……………」

『………あ』



兄さんの呼び掛けに応えて元気よく飛び出したのは、オレの頭がおかしくなければ


『…泪』


だった




「わっ!さっくぅーん!おひさぁ〜」

『久しぶり…』



あー、見たことあるって慎二の経営していた店と同じ名前だ



「ん?何方かな?」

「………そちらこそぉ、誰ぇ?」



そしてほっとくと火花を散らずリスと兄


『これは兄さん。で、泪はクラスメイト』

「…ヨロシク、」

「ヨロシクぅ〜……」




暗いな、おい


「……おい、どうした……て、朔月?」

『……』



まぁたややこしくなった

お前は引っ込んでろよ、光樹!