「……何かよく分かんねぇけど、良かったな」



にやつき顔で頭をポンポンと撫でられた

ムカッとしたので、素早くはたき落とす




「い゛でっ!お前なぁ…」

『うっせ!ドレスよこせ!』

「うーわー、可愛くねーわー」

『あ?』

「うっそ。超可愛い」

『あ、電話』




執事の声を無視した着信音が響く

ディスプレイには、光樹と出ていた




「ちょ、人が誉めてんのに!」

『もしもし』

「はぁー、俺可哀想」




トボトボ歩いていく執事に憐れな目を向けてから、電話に集中する


《あー、俺》

『オレオレ詐欺?って言いたいが、光樹だな。何?』

《いや…ま、何か……》

『は?何だよ?オレ忙しいんですけど』

《チッ…お前、明日暇か?》

『んー、何で?』

《夏祭り…あるから》



夏祭りか!

そう言えばあったな、花火がドカンと上がる夏祭りが


『行く。哲や皆も一緒だろ?』

《……二人が良いのか?》

『……え?』

《しょうがねぇな、なら二人で行ってや…《行かせないしっ!光樹代わって!》……うるせえ!黙れ!》


電話から少し離れて怒鳴りあう声が聞こえる




《もっしー!さっくん?愛しの尚くんですよー!》

『愛しくない。皆で行くよな。集合時間、場所は?』

《時間は、6時!場所は神社!》

『神社混んでないか?夏祭りの場所だし』

《あ、そっか。なら、さっくん家!》

『何でだよ。……ま、良いや』

《良いの!?じゃ、そーゆー事で!光樹怖いから切るね?バイバイ☆》

『おう』

《あっ、浴衣で来てねー!《テメェ尚輝いい度胸だな!オラァ》ブチッ………



ツーツー……



うん、まず突っ込むのは、浴衣持ってないし!
…で、良いよな