朔月から離れてやっと気がつく


側で見守って支えてくれたのは、朔月だけだった





「甘えすぎていて、俺は朔月の優しさに気づくのが遅すぎた。自分の闇の汚さに泣いた。……ずる過ぎるよね。今更どの口が言うのか…」




目尻が熱くなり、視界が歪む

また、泣くのか、俺は




気がついたら、会いたくて会いたくて

たった一人の愛しい妹に会いたくて…



「会ってくれて…聞いてくれて、ありがとう……」




すでに瞳から溢れた涙は頬を伝った



「ありがとう、ありがと。朔月……」




一粒、また一粒と流れる涙

拭おうと、手を出したら






『…いつから、泣き虫になったんですか?』



そう言った朔月が服の裾で俺の涙を拭った




優しく微笑む彼女の瞳も潤んでいて、今にも溢れてきそうだ




『それと、遅くなんてありませんよ。話を聞けて良かった』

「…っ!君は、優しすぎる」

『……私も好きでしたから…初めて出来た兄の事が』




もう、拭えきれないほどの涙がボロボロと流れた



『まっ、許してあげませんけど』

「……うん、」

『フッ、これからは私の兄として側に居てくれませんか?』





あぁ……愛しい妹は、こんなにも逞しく成長していたんだな、

美しく凛々しい、最高の妹だ!



「あぁ、あぁ!こんな兄で良かったら…よろしくな、朔月」

『よろしく、お願いします』



キュッと優しく朔月を抱き締めたら、背中に腕を回されさらに涙が溢れた




『冷た…泣き止んでくださいよ』

「ごめん…」

『アハハ、………おかえりなさい、葉月兄さん』

「!!、ただいま!朔月」




愛しくて愛しくて仕方なかった朔月は、俺にとって最高な美しい妹だ




〜葉月 side end〜