いや、つーか
惚れるなって方が難しいと思う
『早くこっち来い』
うーん、と考えながら歩いていたらいつの間にか部屋の中
朔月が手を振り、こっちに来いと呼んだので歩いていく
『腫れてんな……』
スッと俺の頬に手をやりゆっくり撫でた
「ちょっ、朔月…」
『湿布はるからちょっと待って』
痛いから抵抗したと思ったのだろう朔月は俺が拒んだことに笑った
ったくよー…朔月はどんだけ俺を苦しめんだよ
この気持ちを押し付けられたらどんなに良いことか
……………あーあー
もう、止められないくらい好きなんだな…
「なぁ、朔月だったらさ?好きな人に好きって言えなかったらどうする?」
『……ん?どういうことだよ?』
「だーかーら、好きになっちゃ駄目なやつを好きになったら、どうする?」
『はー?急だな…』
「………やっぱ、なんでもない」
俺が目を伏せるとフッと朔月の笑いが聞こえた
『何?諦める、とか言わせたいのか?オレだったら、本当に好きなら絶対諦めねーよ。それすらも楽しむかもな。…なんで好きになっちゃいけないのか知らないけど』
フッ、アハハ
朔月らしいなぁ〜…
自信満々に笑った朔月は俺の顔にペチッと湿布を貼った