服を買ってこいね〜…



着替えを済まし、屋敷を出た

送迎するとかで着いてこようとした執事を残して






町をプラプラと歩くも、オレにはどうにも分からない

マネキンの服を一式くれ、とかでも良いかな?





「……朔月君?」

『?』



服屋のウインドウの前でウロウロしていたらお洒落な格好のお店の人に話しかけられた



『…やっほ。慎二』




ま、お洒落なお兄さんは慎二だったんだけど




「やっほー。どうしたの?買い物?」

『あ、うん。そう。服探してんだ』

「ここ、女物しかないよ?」

『女物探してる』



少しの間が空きキョトンとした顔のまま喋り出す


「朔月君が着るよう…?」

『うん。ちょっとね、男装を一時止めなきゃならなくて』




店の奥のマネキンに目を通しながら言う

誰も聞こえないように小声で話すが慎二を見る女客が多いから落ち着かない



早く買って帰りたい、そう重い適当なマネキンを指さした



『あれ、ください。一式』

「…え?あれ?……って、適当に選んだでしょ?朔月君」



簡単に見透かされ、かたをすくめた