昔の話をさっくりと説明すればこんな感じ



「どーなんだろうな?葉月様。治ったのか?」

『オレは知らない。…もう寝る』



タオルを持ち、部屋にくっついてる風呂に向かう

気持ちが沈んでいるのに気づかないフリをして…





「…あー、じゃ俺戻るわ」



パタン、

ドアを閉めると同時に聞こえた執事の声




ここにいると自分がなくなるから嫌だ

なんて甘いこと、何時から考えるようになったんだ


オレは傷があるお腹を静かに撫でた

……ま、一番傷があんのは背中だけどね







静かな静かな部屋は重い空気で満たされている





静かな静かな屋敷は偽りで作られている






『明日は……色々、準備だな』






その静かな静かな世界に、彼女の場所が存在する―……









『取り合えず、……風呂入って寝ましょーか』






湯槽のお湯に彼女は疲れを流し、

前に進み続ける