立ってはみたが、歩けるかどうかさえ疑問だ

今にも崩れ落ちそうなくらい悲鳴を上げている身体



や、でも新垣先輩も無傷じゃない
先輩もフラついてんの見逃してないからな


苦痛の苦笑いを浮かべる



さて、どうしたものか―…







「…おい」


何だ…また光樹か


「朔月!律儀に相手が拳法だからって拳法やる必要ねぇんだよ!お前のやり方で倒しやがれっ!」










チッ、光樹のくせに



的を突かれ舌打ちしたが、



『…助言、感謝するっ!』



オレは得意な構えに入る

また高まる気持ちに無意識に身体は動くようになっていた




「―!!それ、は!?」

『たーだの、空手だよ。ただ、黒崎流のアレンジ入りだけど』



身体を小さくし、威力を腕に集中させる

胸の前で構えた腕は新垣先輩の方へと力を貯める




「ま、まだ戦えるんだ?」

『先輩はギリギリみたいですね。さぁ、反撃開始です』



ニヤリと自分でも黒いな、と思う笑いを残し思いっきり床を蹴った